全国の多くの同窓会活動は、同窓会本部を拠点として“卒回別”、“地域・職域別”など多種多様な活動を支援し、組織の活性化を図っている。 活性化のポイントは、いかにより多くの同窓生に「情報の伝達」が可能かという点であるが、現在の同窓会関連の情報伝達手段は「会報」および総会等の会議に参加した者からの口頭説明などがあげられるが、以下のような課題が指摘される。
(1)『即時性』の欠如
同窓活動の重要なテーマに各同窓生の動静を同窓会本部が一元的に把握し、周年記念事業の実施や各支部の活動状況、母校の現況など必要に応じて、情報提供をすることにある。 しかしながら、現在の「会報」発行形式では、紙面の制約もあり掲載される情報量に限界があり、特に情報の即時性に関しては、最新情報の提供はほとんど困難である。
(2)『同時性』の限界
作成された会報は、本来であればすべての同窓生に郵送されることを理想とするが、発送経費等の問題(郵送費だけで150万円以上が必要)で、配布(情報が伝播する)範囲はかなり限定されていると考えざるをえない。
(3)個人情報保護法と会員名簿の発行
同窓会では、5年程度の間隔で「同窓会名簿」を発行してきた。 しかし、平成17年度の名簿で明らかなように、個人情報保護法施行以降、このような個人情報を『BOOK形式』で編集・発行することは、困難な作業になるものと予想される。 また、同窓会活動の本旨は“会員名簿を発行すること”ではなく、母校の発展や会員相互親睦を根本に据えた活動と解すべきであり、名簿発行はその手段に過ぎない。 しかしながら、現規約においては、名簿発行が活動の太宗であり、まして、懇親会の開催といった極めて「限定会員」を対象とした活動が同窓会事業となっている事業計画は改善すべきと考える。
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